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未亡人

 従姉は半年ほど前に夫を亡くした。子供が独立した後、夫婦二人で仲良く暮らしてきたのに突然のように先立たれて気落ちし、しばらくの間は寂しくて不安で仏壇の前で涙ぐむ日々だったようだ。けれど、一月経ち、二月経ちして、次第に元のように踊りのサークルや、合唱の練習に参加するようになるうちに、とても元気になったようにみえる。
 以前踊りの練習の時には若いときの赤い着物でも構わずに着ていくという話を聞いていたので、今では派手になり過ぎた私の着物を貰って欲しいから会えないかと電話したら、今週は発表会が二つも重なって都合がつかないし、毎週5日間は何かしらの用事やサークル活動で日程が詰まっているからなかなか都合がつかなくて、という返事だった。メリーウィドウというところかなと思った。そんなに忙しくしてたらもうすっかり気が紛れちゃってるね、と言ったら、それでもまだ夜一人になると哀しくなることがあるという答えが返ってきた。

 吉沢久子さんの「前向き。」という本がある。
 その中に、亡夫の初七日の時期に前からの約束の仕事で大阪に出かけた帰り、大雪で新幹線が止まってしまったので夫の食事が作れなくて困ったと思ったけれど、もうその必要がない事に気がついて「その瞬間ふわっと自由になった」という記述がある。ご主人だった古谷綱武さんは封建的フェミニストで女も仕事をするべきだと言葉では言いつつ、私生活ではお茶も入れないわがままな方だったようだ。それだからこその解放感だったのだろう。それがあったから、離別の哀しみから早く立ち直れたそうである。
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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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