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最近あった少しおもしろいこと

 姻戚関係にある人で、周囲から一人前とみなされてこなかった人がいる。子供の頃から兄弟の中で一人だけ能力が劣ると思われて、親にもあきらめられていたようだ。兄弟は何かにつけかばってきたが、それはあくまで自分たちと比べて下にみてきたからだろう。結婚相手も他の姉妹と違って、中卒の職人さんだった。しかもやっと中年にさしかかったころ、仕事先に出かける途中で交通事故に遭い、頭にも体にも障害が残って、結局労災年金で生活する羽目になった。
 もともと半人前の人が障害者の夫の面倒を見なくてはならないことになって、誰もがその人が不運に同情した。だから長い間その人はひとに親切にされるのが当たり前になっていた。
 夫がいよいよ身動きとれなくなり、介護が必要になって一週間目にその人は家出をしたが、ケアマネージャーから福祉課へ連絡が行き、行政が介入して事態が好転すると帰ってきた。
 夫が亡くなると、諸々の事後処理も一切人任せであった。こうしたことは私自身もやれやれと思いつつ、雑事の一端を片付けてきたから、伝聞ではない。
 一人になってしまって、私たちが心配したのはその人の生活である。当座何とかなるくらいの貯金があっても、労災の障害年金は夫本人が生存している期間だけのものであり、それが打ち切りになるわけだから、残された妻の年金だけではそのうち行き詰まってしまうことが予想されたのである。

 福祉課へ行って市営住宅に入居の申し込みをするとか、何か今後のことを相談に行きませんかと電話をかけたその返事で、その人がマンションを買ったことを知って、あっけにとられた。兄弟の誰にも相談しなかったそうだ。よくよく話を聞いてみれば、何のことはない、夫が事故に遭ったときに保険金が下りて、実は相当の額の預金を抱え込んでいたそうだ。マンション(中古だけど)を買ってもその後の生活がそう苦しくはならないくらいらしい。

 人は見かけによらないというか、それでは病院へ付き添いで出かけたときのタクシー代までこちらに払わせて平気でいたというのはどういう神経だったのかと少々腹立たしい思いもしたが、最終的には馬鹿馬鹿しくなって笑い出してしまった。
 頼まれもしないのに余計な気を回して心配したのはこちらのお節介であって、放っておいてもよかったのではないか。ま、あの人はあの人で自由にやっていってもらえばいいから、これからは余計な心配などしないで構わないでおこう。そう思った。
 人のことよりも私は私で好きなことをしようと思うのだ。
 さしあたり前から欲しかった手芸用品をいろいろ買ってみた。
 
 マンションを買った人は既に引っ越しをしたようだが、遊びに来てねとも言われないから、どんな部屋なのかも私は知らない。
 
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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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