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 DVDで「レディ・ジョーカー」を観た。
 登場人物も筋立ても、煩瑣は切って捨て辻褄の合うように繋ぎ合わせて2時間の映画に仕立てたという感じ。原作に比べて随分さっぱりした内容になってしまっていて、無理やり映画化した感じだった。いっそ時間的な制限のより少ないTVドラマにした方がよかったのに、と思ったが、どうやらドラマ化されるらしい。
 
 「照柿」と「レディ・ジョーカー」を返却し、入れ替わりに同じ作者の「晴子情歌」と「新リヤ王」を借りてきた。ネットで検索して高村薫の書評を読んでいたら「晴子情歌」に続く「新リア王」の福澤彰之シリーズと、「マークスの山」「照柿」「レディ・ジョーカー」と続く合田雄一郎シリーズが「太陽を曳く馬」で交差することが分かり、それならこの際まとめて読んでみようと思ったからだ。
 
 「晴子情歌」は昨晩までに読了。こちらは文芸作品らしい筆致で、それにしても綿密な調査の上に書かれていることは驚くほどだ。

 晴子(福澤彰之の母親)という女性はよほど周囲の男の心をざわつかせた人のようだ。
 晴子の父は東北の田舎からはるばる東京帝大へ入学するために上京してきた人だ。普通なら順風満帆な一生を送れたであろうに、迫り来る戦争の影や、事情が重なって零落の一途をたどることになる。
 妻の死後子供達を引き連れて故郷へ帰る父親に従って、見知らぬ北の国へ下り立った晴子は、言葉もたたずまいも周囲とは明らかに異質な存在で、周囲の視線、特に若い男の注目を集めたに違いない。晴子はその中の一人には心惹かれながら、行き違いが続いて結局寄り添うことはできなかった。
 鰊番屋の飯炊きをしたり、御大家で子守の奉公をしたりしたりして、子供の頃には思ってもみなかった労働をすることになった上、その御大家の三男と出征間際にあわただしく結婚したかと思うと、夫の出征中にその兄と関係して子供を生む。彼女はそうした運命をさほど抵抗することなく受け入れてしまうのだ。運命は運命として甘受するしかない。他人の視線も周囲の思惑も、権威も何ほどのものだろう。ここに今生きて在る自分しかない。
 晴子の生き方は道をはずしているように見えて、そのくせ、いかにもりりしく思われる。
 
 
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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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