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気の重い状態

そもそもの発端は二週間前のことだ。玄関のベルの音ででてみたら、顔見知りの老夫婦だった。

同じ町内に90歳も半ばの猫好きのご夫婦が住んでいらっしゃる。アパート暮らしである。野良猫が多い地区だ。そのうちの一匹を気に入って餌を与えていたところ、別の猫も寄り付いて、一緒に餌を食べていくようになったらしい。ところがその新参者の猫が部屋の中に入り込んで、2か月以上も前のことだが、気がついたら押し入れで仔猫を生んでいたという。
その仔猫を貰ってくれないかと言うのだ。貰ってくれないかという言葉の裏には、何とかしてほしいという気持ちが確かにあったと思う。老夫婦の年齢から考えて自分たちではどうしようもないことはわかっている。

貰ってくれないかと言われても、我が家には年を取って世話のやける猫がいる上に、自分たちの年齢を考えたら今から仔猫を飼うのは無理がある。断るしかなかったが、途方にくれた様子の二人を突っぱねるわけにいかず、愛護センターで相談してみたらとかなんとか、取り繕うような言葉をかけるしかなかった。

十年ほど前にも同じようなことがあり、その時はクリーニングの取次ぎをしていた奥さんと一緒に里親探しをした。それから五・六年経ってまた同じようにことがあって、何とかならないかと相談された時には、私はいい顔ができなかった。クリーニング屋の奥さんはが、動物に対して優しい人だったので里親探しの面倒をみたらしい。その面倒見のいい奥さんが二年前に病に倒れ、息子さんに引き取られていったので、頼れる人がいなくて、私の所にみえたようだが、里親募集の難しさを分かっているから、安直に引き受けるわけにはいかない。

二・三日してまた玄関のベルがなった。仔猫のことではなく、今度は親猫の不妊手術を安くしてくれる獣医さんを知らないかという相談だった。名古屋市の場合は地域猫サポーターに登録すると助成金が出るけれど、90歳を超えた人に務まるとは思えない。そうかといって、私が代わりに登録して助成を受けようという気持ちにはなれない。知っている獣医さんの電話番号を教えはしたが、車がないと運ぶのが難儀なことはわかっていた。おそらくご本人たちにもそれはわかっていたはずで、できれば代わりに連れて行ってほしい気持ちが透けて見える気がした。

十年前に餌をやるのなら、不妊手術をしておかないと仔を生みますよと釘をさしてあった。なんで同じことを繰り返すのだろう。「生む前に不妊手術をしておかないといけなかった」と言ったら、「生むと思わなかった」という言葉が返ってきた。それ以上何も言う気になれず、手伝おうという気はすっかり失せた。
悪い人ではない。優しい人なのだろうと思う。それでもこういう人を相手するときは本音と建て前を使い分けないと、こちらが困ったことになるように思う。

昨日になって、買い物帰りに二人に出会い、どうなったのかとたずねたら、「近隣の町に住んでいる娘が不妊手術も里親募集も引き受けてくれた」と、明るい表情で仰った。だったら最初から娘さんに頼めばよかったのにと、正直に言うと、内心少しむっとした。
二週間もあれこれ思って気の重い状態で過ごしてきた私がバカみたいだ。



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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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