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もと美人

 少し前地下鉄に乗っていた時、後の駅から乗ってきて私の斜め前に腰を下した初老の女性と何となく視線が合った。
 知らない人だったので特に気にはしなかったが、その人が顔を動かした拍子に、一瞬誰かに似ている気がした。そこで思い当たったのがもう40年ほども会っていない学生時代の同級生である。おや、と思ってもう一度相手を見直すとそのときにはもう見知らぬ他人の顔に戻っていた。どうにも気になって、失礼をかえりみずこっそりと検分を繰り返したが本人かどうかは見きわめがつかなかった。多分他人だったのだろうとは思うのだが。
 もしその人が同級生本人だったとすれば、若い時はきれいなひとだったのに、容貌があまりに変わり過ぎて驚くほどだった。美人には十人並みの器量の人以上に、年月の経過が残酷に働くことが多いというではないか。

 何日か後、同じクラスだった人で今でもつきあいのある友人と雑談をしている時、その話をした。
 「○○さんだけじゃなくて私達のクラスには結構美人が多かったよ」
 と友人は何人かの名前を挙げ、
 「でもそういう人たちってクラス会に出てこないのよ」
 と付け加えた。そうなんだ、出てこないんだ。私もクラス会には出ていないが、容姿で勝負できるような学生ではなかったのよね。
 もしかしたら、そもそも地下鉄に乗り合わせた女性に若い日の○○さんの面影を見てしまったのは、決して器量がよいとは言えなかった私自身の心の底の暗い何かだったの?
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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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