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知り合いの病

用ができて、久しぶりに知り合いの猫ボランティアさんに電話した。長い間野良猫のTNR活動を続けてきた人だ。私より二歳年下だと聞いたことがある。
この前会ったのは一年以上前のことだったろうか。電話から聞こえてくる声は相変わらず元気そうだったが、近況報告の中で、その人が現在ガンの治療中だと知らされて驚いた。

胃が痛くて病院へ行ったのがきっかけで食道ガンが見つかり、ステージ4と言われたという。すでに何度かの抗ガン剤治療を受け、今は自宅療養中だが、肝臓にも転移していることが分かって、近々再度入院するという話だった。
もしかしたら先が短いかもしれないけれど、だからといって気に病んでばかりいてもしかたがない。できるだけのことはしようと思っているし、地域猫活動も無理のない範囲で続けるつもりだ。淡々とした口調でそう言われた。

抗ガン剤治療は苦しいらしい。眉毛も睫毛も抜けてしまって、でもおかげさまで髪の毛はてっぺんは抜けたけどまだ残っているから帽子で誤魔化せるのよ、とご本人は笑っていた。口調が明るかったので、その時はこちらもつられて深刻にならずにすんだが、電話を切った後にじわじわとくるものがあった。

ガンと共生する時代になっているようだ。以前はガン告知など本人にはほとんどされず、家族にだけ内密に知らされる場合がほとんどだった。現在は本人と家族にはっきりと説明されるケースが増えているように思われる。本人に伝えるのは治療の効果がある程度見込める場合で、回復するという希望をもつことができれば、本人の動揺も少なくて済むだろうし、納得して治療を受けることができる。ただし、余命がいくばくもないケースでは、本人には知らされないこともあるのだろう。
余命に希望がもてるとはいっても、患者さん本人が病気と対峙してそうそう穏やかな気持ちのままでいられるかどうか、感情が波立つことはやはりあるはずだ。肉体的にも精神的にもつらいこともあると思う。
万一自分がそういう告知を受けたら、平静を保つことなどとてもできそうにない。ご本人の気持ちを思うと、何と言っていいかわからなくなる。

入院したらお見舞いに行くと言ったら言下に断られた。治療で衰えた姿を見られたくないからという理由だった。それもあるだろうけれど、親しい家族ならともかく、ちょっとした知り合いの義理のような見舞いにつきあうより、一人でいたほうがいいのかもしれないと思う。悪性腫瘍で亡くなった私の母が、血縁関係にある自身の姉たちの見舞いでさえ、「何しに来るの」と嫌がっていたのを思い出す。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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