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「猟犬」を読んだ

ヨルン・リーエル・ホルスト作「猟犬」(ハヤカワ・ミステリ)を読んだ。
ノルウェーの警察小説である。十七年前に起きた誘拐殺人の犯人が刑期を終えて出獄した後、弁護士によってその事件の証拠の不備が指摘され、問題になる。当時の捜査の指揮をとった警察官が責任を問われ、停職の憂き目に合う。そればかりか、証拠ねつ造の犯人にされそうになってしまう。
彼は新聞記者をしている娘や昔の同僚の助けを借りて、冤罪をはらすために奔走する。
十七年後に新たに起きた殺人と誘拐事件との関連が明らかになって、すべてが一挙に解決するまでの何日かの間、主人公は取り調べる側の思いこみによる間違った捜査の恐さをつくづく感ずる。自分が取り調べを受ける側になって、取り調べる側の作為がより身に迫って感じられるのだ。作者は警察官だったことがあるそうだ。作者の感じている危機感が小説の底にあるに違いない。
証拠ねつ造の犯人は、誰もが思いがけなかったことに出世主義の上役だった。事件解決の後、最後にそれが明かされ、卑怯な上役が告発されて正義がなされたことで読後感はすっきりする。
けれども現実にこんなことが起きたら、混乱の果てに冤罪事件に発展しそうだ。小説のようにすっきりいくものだろうか。

図書館で同時に借りてきた佐藤優「読書の技法」(東洋経済新報社)を読むと、勉強する人はおそろしく勉強しているものだとわかる。
佐藤氏は外務省職員時代に何かの事件に関連して告発され、執行猶予つきの有罪判決を受けた人だ。本人や一部の周囲の人たちの間では、どうしてこんなことでというような不可解な事由によってだったとか。ご本人の頭の中では冤罪そのものだったに違いない。
機会があったら、別の著書も読んでみようと思う。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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