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宗教に関する本

河合隼雄×中沢新一「仏教が好き!」(朝日新聞社刊)を読んでいる。

河合先生はこの対談の何年か後物故されている。高名なユング派の精神分析家・心理学者である。卓越した知識人であったことが、この本を読んでいても感じられる。
一方の中沢氏についてインターネットで検索してみたら、一時期世の中を騒がせた新興宗教のシンパであったことを取りざたされた過去があったようだ。宗教学を上から眺めて分析するものと考えないで、自らその中に飛び込み没入して悟ってこそ本物の学問だと考えていたのだろう。インテリは時にその知識量と思索ゆえに混乱することがあるのかもしれない。
トランス状態に関して、瞑想をすることで光やその他色々なものが見えることがあるが、ものの組み換えや思想と合体しないとただそれだけの「サイトシーイング(観光)」に終わってしまう、自我が関わると悪戦苦闘することになる、という話が二人の間で交わされている。それに近いことが中沢氏自身の身にも起きていたのかもしれないと思う。
それはともかく、混乱するくらいその知識のすそ野が広いようだ。人類学の観点から宗教の成り立ちを解き、農耕社会と狩猟社会における宗教の違いを解き、女性原理の取り込み方の違いを解き、キリスト教・イスラム教と仏教の思想を解き、縦横無尽に話をされており、非常に面白い。難しい言葉でなく誰にでも分かる言葉なので一般人にも理解しやすい。
するすると読めるので、理解できたように錯覚してしまい、後を曳かないのがかえってもの足りない気がするくらいだ。

この本を読んで宗教、特に仏教に気持ちが傾くかといえば、私の場合はそんなことはない。年をとった分一途なところがなくなって、世の中を斜めに見ているせいだろう。
あの世が近くなると急に宗教心がわくことがあるというから、あと何年か何十年か後に頭がはっきりしなくなったころ、ぼんやりと虚空を見つめて手を合わせることがあるかもしれない。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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