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ジョー・ネスボ「その雪と血を」

ノルウェーのミステリー作家、ジョー・ネスボの中編「その雪と血を」の主人公、オーラヴは難読症(ディスクレシア)の殺し屋である。本を読んでも内容を正確に読み取れないため、物語の登場人物は彼の頭の中で勝手に動き出して、全く別のストーリーが構成される。彼自身は、二通りの楽しみ方ができていいと笑っている。

殺伐とした裏社会で生きながら、彼は特に女には心優しい面を見せる。麻薬中毒のボーイフレンドの借金を肩代わりしてひどい目にあいそうになった、聾唖者で片足に障害のある娘マリアを助けるために、内緒で借金を片付けて助けてやり、その後も気づかれないように見守り続けていたりする。
ボスからその美しい妻コリナを殺すように依頼されながら、その機会をうかがうために見張っているうちに、心を奪われてしまう。それが原因となって状況が反転し、逆に自分が付け狙われることになる。
コリナとパリに逃れるための金を工面しようとボスの対抗勢力の男と取引するが、そこは裏切ったり裏切られたりの世界のこと、請け負った仕事の最中にひどい手傷を負ってしまう。
一緒に逃げるはずだった、コリナもどうやら彼を裏切ったらしい。

一人孤独に車で逃亡中、命が尽きる直前のもうろうとした意識の中で、彼はマリアが自分を助けに来たと錯覚を起こす。聾唖と思っていたのに実は外国人で言葉がよく分からなかっただけだった、麻薬中毒のボーイフレンドと思っていた男は弟でマリアは弟を助けようとしたのだ、彼女には外科医の叔父がいて自分を助けてくれると言っている、現実とはかけ離れた夢想の中で彼の意識はなくなっていく。
折しもクリスマス・イブの朝、マリアの勤め先のスーパーの、彼女のレジ席の見える窓の近くの街灯にぶつかった車の中で、殺し屋の男は息絶えていた。

この小説の構成は巧みだと思う。私だけかもしれないが、内容はまったく別種のものなのに何故か「マッチ売りの少女」や「フランダースの犬」の、主人公の子供の悲哀に満ちた最期を連想してしまった。

突然話題が飛ぶが、夫は若いころから現在に至るまで、園まりさんのファンであるらしい。昔の芸能雑誌や週刊誌の記事を切り抜いて貼り付けたスクラップブックを見たことがあるし、今でもごくたまにテレビ出演なさると必ず見ている。
まりさんのふんわりと柔らかい雰囲気がいいのだろうと思う。年をとっても可愛い人だねと、私も夫の気持ちは理解している。けれども夫にとって理想の女性は園まりさんのような人だと思われるのに、何故似ても似つかぬ私と結婚したのか、それは不思議で理解が及ばない。
現実とはそうしたものということ?


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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