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「自分の頭で考えるということ」

「自分の頭で考えるということ」(大和書房)を読んだ。十年ほど前に出版された、脳科学者の茂木健一郎さんと将棋の羽生善治さんの対談である。私は将棋の駒の動かし方も知らない人間だけれども、具体的な対局の話は出てこないので、かえって面白く読むことができた。

将棋の世界でもコンピュータの影響が大きいそうだ。過去の対局はほとんど研究されつくしており、膨大なデータベースを駆使して作られた将棋ソフトはなかなかのものらしい。コンピュータと対戦すると、人間同士の戦いならおそらく打ってこないような思いがけない手を打ってくることがあるという。
棋士にはそれぞれの美意識やこだわりのようなものがあって敢えて使わない手というものがあるそうだが、そこを容赦なく突いてくるらしい。
コンピュータの出現は、人間の閃きやカンといった曖昧なものを打ち砕いてしまったようにも思われる。

IT技術が進化して一般社会でも、インターネットでの検索はよく行われている。学術研究の世界では特に、過去の論文を無視するわけにはいかないので、コンピュータに頼る部分が大きいようだ。そこに出現する膨大な資料を見ていると、研究者個人の思考の独自性は埋もれてしまうような感覚に陥るのではないだろうか。
茂木さんは、今や純粋に自分の頭で考えることができるのは、インターネットを使うことができない対戦中の棋士しかないのではないかと言っている。
(近ごろそういうことで問題が起きたが、結局濡れ衣だったというニュースもあった)

過去の膨大なデータベースに取り込まれてしまいそうな感覚に襲われながら、自分の頭で考えているうちに、虚しさを覚えることはないのだろうか。研究者の方は大変だね。
ITどころか、次に来るのはAIの時代だそうで、考えることまで人工知能に任せることになったら、人間の存在意義はどういうことになるのだろう。
などと難しいことを考えても私の大ざっぱな頭では答えが出てこない。



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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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