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老夫婦  12/9

義父がまだ生きていた頃、家にいても気詰まりだったので、買い物に出かけては喫茶店で時間を潰すことがあった。同じ店でよく見かけた老夫婦があって、その二人が、家からそれほど離れていない所にあるアパートの住人だと知ったのは、何年も後のことだ。ある年、町内会の役員同士になって名前を知った。町内会で独自に作成した住宅地図を配布されたので、どうやらそのアパートの入居者らしいと分かった。

時々二階の窓から外を覗いていると、二人連れでどこかへ出かけていくのが見えた。又は買い物の荷物を提げて帰ってくるのも見た。我が家の前の道路が道順になっていたようだ。何年もの間、いつも二人連れだって買い物にいくのが習慣になっているようだ。

猫好きらしく、我が家に猫がいることを知られてからは、顔が合うと話しかけられることが増えた。自分達は飼いたくても、アパートだから遠慮があっただろうし、年齢が年齢だから無理だという諦めもあったのだろう。

一度二人のアパートの部屋に入り込んだ野良猫が子を産んでしまい、飼ってくれる人を探す手伝いをしたことがあった。他にも探してくれた人があって仔猫は全部もらい手がつき、冥土の土産話になったと嬉しそうだった。親猫は不妊手術をして、出たり入ったりの半野良状態で可愛がっているうちに行方不明になってしまったそうだ。

何十年も同じ部屋で二人暮らしを続け、今ではどちらも90歳を超えた年齢だと思う。
一年ほど前に道でご主人に会った時は、奥さんが骨折してコルセットをつけているという話だった。圧迫骨折だったのかもしれない。そういうご主人も買い物を詰めたリュックを背負って歩く足元がふらついていて、思わず背中のリュックを奪い取るようにして持ち、付き添ってアパートまで送っていったことがある。

県内在住の子供さんがあるそうだが、そういう状態でも子供の所に身を寄せず二人暮らしを続けているのは、何か事情があってのことかもしれない。あるいは二人だけの方が気楽だからかもしれない。
介護認定を受ければ、ヘルパーさんを頼むこともできそうに思う。骨折の話を聞いた時にそう進言したが、その後どうしたのかはわからない。

今日も杖をついた奥さんと、それに遅れて歩くご主人を見た。体が少々不自由になっても、自力でできることは何とかして生活していこうとしている二人の姿を、いつまで見られるのだろう。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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