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母と娘

 図書館で「幸子さんと私」中山千夏著(創出版)という本を借りてきて読んでいる。並んだ本の背表紙の「ある母娘の症例」という副題が目について思わず手に取ってしまったのだ。
 ひところ仲の良すぎる母娘が話題になったことがあったが 母娘の関係は一通りではないはずだ。密着関係に何の違和感を感じない人もいる一方で、密着関係の負の側面に息苦しさを感じている人もいるのではないか。
 中山千夏さんは明らかに後者だったのね。そして私もそうだったから、興味を引かれたというわけだ。

 昔読んだ心理学の分野の素人向けの本の中に「・・・マザコンというと普通母と息子の関係に注目されるが、母(マザー)との関係に起因する問題は、母と娘の関係の方がより複雑だ・・・」という意味の記述があった記憶がある。それを読んだ当時私自身も母との関係に頭を悩ませていたので心に引っかかったのだ。

 私の母は精神的に一定していない人だったと思う。子供のことなど放りっぱなしで気にもかけていないかと思うと、急に気紛れをおこしたように傍に来てあれこれと指図をすることがあった。そうなると何から何まで自分の思うとおりに支配したがった。娘の私は困惑する以上に腹を立ててばかりいた。
 私は母が嫌いだった。どちらかというと大の一文字がつくくらいにである。
 
 母が亡くなった時、いなくなるのが寂しいとは思わなかったが、最期まで理解しあえないままに永久の別れが訪れたことは何か理不尽に思えた。半年間ほど毎晩のように母が登場する夢を見た。ところがその時期を過ぎると心が軽くなった。親が亡くなって気持ちが楽になったなどというのはちょっと公言をはばかるようだが、現実にはそういう感じになった。
 千夏さんは本を書くことで自己カウンセリングができて癒されたと書いているが、自己分析しなくても時間の経過が同じような癒しをもたらしてくれるのかもしれない。
 
 まだ読んでいる途中だけれど、「幸子さんと私」には私が感じてきたようなことが正確な筆致で書いてある。 幸子さんという母上の生涯をたどることで、母は又その母親からそう育てられてきたのだということに思いがいたったのではないだろうか。そうして、個別の事例であっても綿密にたどるほどに、母と娘の関係の問題の普遍性が浮かび上がってきているように思う。
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