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目上の人に  8/22

中学生時代の国語の授業の時のことだ。教科書に
「目上の人と行き会って挨拶した後、相手から肩に髪の毛がついているから取ってあげようと言われた。どのように返事をしますか」
という設問(もちろんうろ覚えの文章なのでこの通りではなかったはず)があった。

私は自信をもって手を挙げ、当てられて立ち上がり、ただ黙っていた。自分達の年齢だと親しくない大人から何か言われても気後れして言葉にならずに、してもらうままになっているはずと思ったからだ。
先生は奇妙な顔つきになり、次の生徒を指した。当てられた子は
「あ、いいんです、自分でできますから」
と答えた。先生は私の方を見て少し呆れたように、きちんと断るのが常識だと言われた。私がどういう考え方で黙っていたのかは聞かれなかった。

子供じゃあるまいし、中学生にもなれば社会的な常識はそれなりに心得ておくべきで、きちんと受け答えをするのが正しいことだったに違いないのだ。けれども現実にその状況になった時、同級生のほとんどは私の答えのようにおし黙っているだけではないかと、私は内心符に落ちない気持ちだった。先生に何故そういう答えだったのかと聞かれれば説明したのにと思った。

今時の中学生なら恥ずかしくて目上の人に口を聞けないなど考えられないと思うが、半世紀以上も前の田舎の中学生はそんなものだった。

蛇足だが私と違って常識的な答えをした子は、何十年も後、大人になってからさる宗教に入信して何かを売り歩いていた。私が結婚して今の家に住むようになってから、たまたま販売員として訪問を受けて驚いたことがある。出会ったのはその時だけで、それ以来遭ったことはない。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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