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「謎の毒親」  7/17

姫野カオルコ著「謎の毒親」を読む。

確かにいささか常軌を逸した両親で、主人公が人に説明するのに困ったのが分かる気がする。(一方で、その不可解さを文章で表現してしまう小説家の筆力はすごいと感じた。この本の主人公は作者自身の分身で、自分が育った家庭を書いているのだ)
育児放棄や虐待をするわけではない。けれども家族が逆らうのを許さず、反感の芽さえ摘んでしまうような圧迫感を与え続けた父親と、その父親が大嫌いでいながら逆らえず、子どもに鬱憤を向けているような母親から与え続けられた苦痛、人に説明しようとして説明しきれない長年にわたる親子の不可思議な関係。

小説の中では文容堂という本屋さん夫婦他、関わってくれた人々との手紙のやりとりや付き合いから、主人公が親子の関係を見つめ直し、徐々に自分を取り戻していく経過が描かれている。
文容堂の夫婦はおそらく創作であろうから、作者は自分の育ってきた家庭を幾重にも異なる視点から見つめ直しつつ、描き出したのだろう。そうすることで自分の軸を取り戻そうとしたのだという気がする。
こういう親は存外いるのではないかと思うのだ。主人公が他の人に親のことを説明しようとして「親のことをそんなふうにいうものではない」と遮られたというくだりがある。昔風の倫理的観念を素直に信じられる人は、親子関係に苦しんだことのない人に違いない。だから世の中の親の中には普通ではない人がいることが分からない。

主人公、あからさまに言えば作者自身の、混乱と困惑と羞恥と怒りを内包した青春時代に同情を覚えつつも、一方でどこか可笑しさを感じてしまう。この小説の両親の姿はやっぱり奇妙で、苦笑を誘われる。現実に身の周りにいたらできるだけ距離はおきたいが、ちょっと奇妙という程度の人はかなり多く存在するような気がする。

ところで姫野カオルコさんの画像を探したら、出てきたのが直木賞の記者会見の時のジャージ姿であった。思い出した。あの時はニュースで見て笑った。禿げかつらの写真も出てきた。ご本人も普通の女の人ではなさそうだ。

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