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顔剃り

 中学生までは髪は床屋さんで切ってもらっていた。今時は皆美容院へ行くのだろうけれど、50年も昔の田舎では床屋さんで切ってもらうのが普通だった。似合う髪形も何も注文のない子供だった。たださっぱりするようにカットしてもらっていただけのことだったが、洒落っ気もなかったので特に不満にも思わなかった。美容院は大人の女の人がお洒落をしに行くところだと思い込んでいた。
 床屋さんでは髪を切った後だったか先だったか、顔を剃ってもらえた。シャボンを泡立てたブラシで顔をなでられた時のふわりとした暖かさ、その後剃刀が顔を滑っていく時の心地よさ。

 後年美容師さんに聞いたところでは、顔を剃ることができるのは理容師さんだけだそうだ。さすがに高校に入ってからは、同級生が皆行くからと言う理由で、美容院へ行くようになった。少し大人になった気分だったが、顔そりの気持ちよさはいつの間にか忘れてしまった。だいたいその年頃になると、眉をいじったりするようになるので、安い使い捨ての剃刀を買って来て自分で顔を剃るようになっていた。
 
 昨年の年末に美容院へ行きそびれて、年明けに行ったところ休みだった。美容院の近くにとても安い料金を掲げた理容室があって、料金表に婦人カットという文字が見えたので入ってみた。当然男性客が多かったが婦人客の姿も何人か見えたので、私みたいに髪型をそれほど気にしないでたださっぱりしたい人もいるのかなと思っていた。料金は前払い、大衆食堂で食券を買う方式である。私は髪のカットと、思いついて顔剃りも頼んだ。
 女性の理容師さんだった。婦人客には女性理容師がつくシステムかもしれない。手際よく髪をカットし、すいすいと顔そりをされて久々にプロに顔を剃ってもらう心地よさを味わった。
 そこで理容師さんに聞いたのだが、特に年配の婦人客の中には顔そりだけに訪れる人が多いそうだ。そういわれてみれば、私も老眼になってから顔を剃るのは苦手になっている。目が良く見えないからといって眼鏡をかけて剃るわけにはいかない。
 その次の時に友達を誘って出かけたら、とても気に入った様子だった。
 婦人の顔そりは理容室の顧客開拓に繋がるに違いない。
 
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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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