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髪の毛  4/12

小学校時代、6年間を通して私は髪を長くしていた。当時は、長い髪の子は学習や運動の邪魔にならないように、一束に結ぶなり(ポニーテールなどというお洒落な髪型を、田舎の子は知らなかった)後ろ中心で分けて二つ結びや三つ編みにするのが習わしになっていた。

低学年の子が親に髪を結ってもらうのは分かる。
私はなんと小学校を卒業するまで、ずっと親に結ってもらっていた。どういうわけか親の方もそれが当然のような顔をしていて、学年が進んでからも自分でするようにと促された記憶がない。面倒だから短く切るようにと言われたこともない。逆に私の方が短く切りたいと言っても、親の方が許してくれなかった。
普通小学生でも高学年になれば、少々不器用な子でも自分で髪をひとくくりにして縛るぐらいのことはできそうに思う。それなのに私ときたら、修学旅行に行って親をたのめない時は同級生に結ってもらったほどで、自分で髪は結べないと思い込んでいた。
両手を頭の後ろに回せなかったわけでもなく、それほど不器用でもなかったはずなのに、どうして自分でしようとも思わなかったのか、今思い返すと不思議だ。もっとも私は気のつかないぼんやりしたところのある子どもではあったが。
親の方も、小学校へ上がると早速ご飯の炊き方を教えたり、家のことが手伝えるように口うるさくしつけたのに、髪のことだけは別だった。

生まれた時、未熟児に近いような小さな赤ん坊だったそうだ。産毛と呼ぼうにも、ほんのわずかショボショボと毛が生えていただけだったと、大きくなってからよく聞かされた。幼児のころも藁のような色の髪だったそうで、祖母が自分の実家へ連れて行ったら、その家の子どもたちに不思議がられたそうだ。
仏壇の中に、産毛とへその緒を入れた小さな木箱が兄弟分残されていて、若い時開けて見たことがある。確かに私の産毛は、弟のものとは明らかに違っていた。薄い色の細い毛がしょんぼりという感じで和紙に包まれていた。
両親も祖父母も、女の子なのに、こんなふうで大人になって嫁に出せるだろうかとたいそう心配していたらしい。

それでも大きくなるにつれて、次第に髪が太くなって量も増え、色も黒くなった。中学生にもなると多すぎて困るほどになった。長かった髪は中学入学を機に短くした。祖母が安心したと言って、髪にさわることが時々あった。
小学校時代、毎朝髪を結ってくれたのは、両親や祖父母の願いと安堵がこもっていたせいかもしれないと思う。

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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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