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「満開の栗の木」 3/12

スウェーデンの女流作家、カ-リン・アルヴテーゲンの「満開の栗の木」を借りてきて、もうすぐ読み終わる。元々はミステリーの作家だが、この本はそうではなかった。最後にどんでん返しがあるためミステリ的な要素はあっても、血が流れるような事件は起きない。

登場人物がそれぞれ生育歴に由来する問題を抱えている。アルコール依存症の母親のもとで育って人の顔色ばかり気にするようになったヘレーナ。母親が早くに亡くなった後心のどこかに満たされないものを抱えて大人になった、元実業家で大金持ちのアンダシュ。過去に14歳の娘が産んだ私生児という出生で、山の中の小屋暮らしのヴェルネル。田舎で生まれ育ち、狭量で偏見の強いアンナ・カーリン。
それぞれの人物の個性が際立っている。

以前読んだ「喪失」の自力ですっくと立っている印象の女性と違って、今回のヘレーナは一見強そうに見えながら、内面にもろさを抱えている女性だ。離婚が成立しかけており、一人娘を育てながら夫が去った後の田舎のホテルを切り盛りしている。そこへ現れるのが情熱を傾ける対象を見失って、虚しさのあまり自殺未遂を起こしたアンダシュである。彼は素性を隠したまま、成り行きでホテルで働き始め、次第にヘレーナを助けるようになる。
こういう設定は一つ間違えばハーレクイン・ロマンス(読んだことないけど)だが、興味をひかれてついつい読んでしまう。
登場人物の心理描写は巧みだ。サイコ・サスペンスで培われた描写力だろうか。

映画とかドラマになりそうな本だ。映画になったら見たいと思う。

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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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