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布団の中の読書 3/2

毎晩布団に入って眠りに落ちるまで漱石の「こころ」を読んでいる。
布団に入って中が温まったころになると、猫が潜り込んできて片腕を枕にしてあごを乗せる。片手でしか本が持てないのでページがめくりにくい。そういうわけでなかなか読み進めず、やっと先生の手紙に入ったところだ。

「こころ」ってこんなに面白かったっけと思っている。
十代の終わりか二十代の初めか、昔若かった頃に読んだ時にはそれほど面白いと思わなかった。一度読んだだけでもう結構と思った。それは自分の住む世界とかけ離れた暮らしをしている人達の、大人の事情が理解できなかったからでもあると思う。
先生が両親を亡くした後、親族に財産を奪われたことをひどく恨んでおり、人間全体に不信感を持つようになったこと、親が元気なうちに貰うものは貰っておくようにと「私」にすすめるところなど、今読むとすっと分かるのだが、若い時にはぴんとこなかったはずで、分からないまま目だけ通しても面白くも何ともなかったわけだ。
大人になって身内の間での金にまつわるトラブルなどを見聞きしたり、言葉と裏腹な行動が目に入ったり、人間性について洞察力がついてきて、人を一面的に見なくなってくるといろいろ面白くなってくる。
漱石を哲学書みたいにわざわざ難しく考えて読むのではなく、ただ小説として面白がって読んでもいいと思う。源氏物語だって、もとは貴族のお姫様の娯楽のための物語ではないの。

年をとってから、若い時に読んだ本を読み返すと受け止め方が違ってくる。
もしかしたら、本には読み時があるのかもしれない。若くても理解できる人もあるだろうから、人それぞれだ。今「こころ」を面白いと思うのは、私の場合は読み時が遅く回ってきたのせいかもしれないと思う。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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