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「365日のシンプルライフ」を見た

「365日のシンプルライフ」を見た。
すべての所有物を貸し倉庫に収納してしまう。1日にひとつずつ持ち出す。一年間は何も買わない。それを1年間続ける。自分自身にそういうルールを課して何が本当に必要な物なのか見極めようとする若い男の一年の物語だ。まるでドキュメンタリーのようだった。

初日の深夜に素っ裸でアパートを飛び出して、人通りの途絶えた雪道を走って倉庫へ向かう途中に、ゴミ箱から古新聞をあさって下腹部の前後にあてる場面には苦笑、そこまで徹底する必要があったのかどうか。そうしてたどり着いた倉庫の中から最初に彼が選んだのはウールのオーバーコートだった。
彼はこれを寝具の代用にも、バスタオルの代用品にさえしていた。物がなければ何かで代用するしかないけれど、湿ったオーバーをまた寝袋代わりにして大丈夫かしらと、これは老婆心。
以後時々間を空けながら、彼が倉庫へ物を取り出しに行く、迷ったり考えたりしながらの選択がエピソードを挟みながら淡々とつづられていく。

主人公と大好きなお祖母ちゃんの物に関しての対話。若い頃は色々物を買ったが、年をとってからは持ち物が減ってきたとお祖母ちゃんは言うのだ。お祖母ちゃんは一番大事なものは人によって違うが、「私は主婦だから、冷蔵庫」と言った。料理に必要なのは冷蔵庫よりも鍋とかフライパンとかその他のものではないだろうかと、私には少し違和感があった。そうしたら冷蔵庫という小道具には、物語の終わり近くで(再生される物の象徴)としての役割があったようだ。

話が飛ぶけれど、私たちよりも年長の人たちは戦中の物質不足の時代を生き抜いてきた。戦後間もない生まれの私たちの子供時代も決して豊かではなく、欲しいおもちゃや本があってもなかなか買ってもらえなかった。戦後、貧しい時代の反動が発端となって、急成長の波に乗って多くの人が豊かになるとともに、、便利な物、きれいな物、高級な物、新しい物、その他の物がどんどん求められるようになった。物質文化の発展がそのまま経済の発展に繋がって循環する時代が続いた。
個人的な体験なのだが、私自身は稼ぐ力がなかったのであまりお金を使う事ができなかった。少々の蓄えができても、もったいなくて遊びに出かけたり上等な洋服を買ったりすることができなかった。バブルがはじけた直後のこと、友達にお金を使わないのは経済発展の循環を止めていることだと非難されたことがある。当時はここで皆がお金を使うことで経済が持ち直し、国民生活が豊かになると信じていた人も多かったのだと思う。

今、明らかに時代の転換期に来ていることは私にも分かる。この映画の主人公は私たちよりもずっと若い人だが、日本でも若い世代の人たちの間には物を持たないことを信条にしている人が増えているようだ。物質文化のなれの果てはゴミの山、これ以上ゴミは増やせない。人は物によって幸せになるのではないのだ。

新しいガールフレンドの冷蔵庫が修理不可能なほど壊れ、買おうと思えば買ってプレゼントできるのに、自分自身に課した「一年間は何も買わない」という制約のために、考え込む主人公。
たまたま転んでけがをしたお祖母ちゃんが施設に入ることになり、家財道具を整理することになって、冷蔵庫を譲ってもらうことになった。部屋へ運び込んできれいに掃除し、彼女の古い冷蔵庫に貼ってあったシールのような飾りを張り直してプレゼント完了。彼はルールを守ることができたのだ。
結局、必要なものが100個、あった方が生活が楽しくなるものが100個、それだけあれば事足りるとわかったと彼は言う。最後の場面ガールフレンドと貸倉庫に行き、残った品物を眺める場面、まだかなり多くのものが残っていた。 

本当に必要なものだけを集めてさっぱりとした暮らしをしたいと、私も思う。物はそんなに買ったつもりがなくてもいつの間にか増え、何故か捨てられない物があれこれ残っている。
少ない物で生活するようになるとお金は本当にかからなくなるとブログに書いていた人がいた。物を買わなくなるのだからそれはそうだろう。そうするとしゃにむに働く必要もなくなるということだろうか。
そういう人が増えると経済が回らなくなるという人もいるのだが。どういうものだろうと、今日もまた自分の中で結論は出せないまま日が暮れる。


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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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