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群ようこの本

 ここのところ立て続けに群ようこを読んでいた。この人の本は、ずっと前は、普通の女性が背伸びすることなく日常を書いていることで共感を呼び、特に若い女性に人気があった。多分当時はご本人もまだ庶民だったと思うのだ。私も編み物や猫についてのエッセイ本を読んだ事があった。肩肘はらずに読む事ができる本だった。

 長い間読むことがなかったが、最近あるブログで紹介されていた「れんげ荘」という本を何となく読み、その続編の「働かないの」も読んだ。以前とは雰囲気が変わってきている事に気がついて、比較的新しいエッセイ本も何冊か読み、あららと驚いた。
 経済的にうるおう事が出世といえるかどうかは知らないけれど、要するに本が売れて人気作家になったことで、状況が変わってしまったらしい。御本人の着物道楽もさりながら、家族からあてにされて、母親の生活費はおろか着物や不動産や、それはもうどんどん巻き上げられているという感じ。そのことで家族に対して怒り心頭であることがエッセイに書かれている。
 他人事だから、お金を出したことで腹が立つなら出さなきゃいいのにと妙に可笑しいのだ。庶民はお金を出す余裕もないから腹も立たない。そうはいっても出世した我が子を誇らしく思うことはあっても、自分たちの生活まで子に頼るのは恥ずかしいと思う律儀な親も多いはずだ。群さんのご家族は少し理解を超えていると、正直思う。そういう事情があって群さんは母親と確執があるらしい。

「れんげ荘」の主人公は母親とうまくいかなくて反抗して、一流広告代理店の勤めも辞めてしまい、家を出ておんぼろアパート暮らしをする。それまでの貯金を取り崩して無職生活に入るわけだ。別のエッセイ本にこれに近い隠遁生活の算段をする文章があったから、多分作者ご本人も諸々を投げ捨てて隠遁生活に入りたいという気持ちがあるのだろう。

 読みついでに小説「パンとスープとネコ日和」も読んだ。こちらも主人公は母親との折り合いが悪かったという設定になっている。母親の死後、残された大衆食堂を作り替えて自分好みのカフェにしてしまう。当然客層が変わって、母親の時代のお馴染みさんは足が遠のいて別の店の常連になり、街であっても顔をそむけていくようにさえなる。消息の分からずじまいであった父親のことでお節介なことを言ってくる人もあり、店の経営方針について意見をされることもあり、ネットの口コミで叩かれる事もあり、気持ちが揺れる事もあるが、それでも主人公は自分を貫いていくのだ。拾った猫と、店員として雇った女の子が心の支えだ。自分の思うままに生きていこうとしても、所詮人は社会の一員であることからは逃れられないし、他者との関わりを断つことはなかなかできない。
 原作を読んだ後で、レンタルDVDを借りて見たが、原作の毒気が抜けて、ほわんとした印象のドラマになっていた。どちらがよくできているか、私には判別できない。こちらはこちらでゆるくて気が休まっていいのだ。

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中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
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