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「湖の男」を読んだ

アーナルデュル・インドリダソン「湖の男」(東京創元社)を読んだ。エーレンデュル捜査官のシリーズで「湿地」「緑衣の女」「声」に続く作品。胸のすくような推理小説ではないし派手な立ち回りもない、落ち着いて静かな印象の作品だ。登場人物の警察官の顔ぶれも同じだが、この作品には影の主人公がいる。アイスランドの労働者の家庭で生まれ育った若者トーマスだ。トーマスは社会主義にこの世の正義を見出して旧東ドイツのライプ...

最近読んだミステリー

2018年版「このミステリーがすごい」(宝島社)のランキングで、海外編の一位は「フロスト始末」(R.D.ウィングフィールド)、二位は「湖畔荘」(ケイト・モートン)だった。フロスト警部のものは、以前シリーズ中の何かを借りてきたことがあったが、読みにくくて途中で投げ出した。何だかごちゃごちゃしていると思った。それでも多くのミステリー評論家の投票で一位になったのだから、最新作は面白いのかもしれないと思い、二位の...

「64(ロクヨン)」を読んだ

横山秀夫「64(ロクヨン)」(文春文庫)を読んだ。警察を舞台にして描かれた人間ドラマの傑作。TVドラマにも映画にもなって話題を呼んだ作品のようだが見ておらず、今回本を読んでその面白さに触れた。未解決のままの十四年前の誘拐事件が後を曳いている中で、中央からのキャリア官僚と地方のノンキャリアの軋轢、警務部門と捜査部門の抗争、さらにメディア関係者との摩擦、その中でもみくちゃになりながら広報官の三上は奮闘を...

「中学生棋士」

図書館で谷川浩二十七世名人の著書「中学生棋士」(角川新書)を見つけた。将棋好きな夫が興味をもつだろうと思って借りてきたのに、将棋は好きでも活字は好きではないらしく、手に取っただけだった。何だよと思いつつその日のうちに私が読了して、内容をかいつまんで説明することになった。中学生のうちにプロ棋士になった人はそんなに多くはない。加藤、谷川、羽生、渡辺各棋士に続いて、最近一躍有名になった藤井颯太六段がいる...

「コリーニ事件」

フェルディナンド・フォン・シーラッハ「コリーニ事件」(東京創元社)を読む。第二次大戦中のドイツでナチ党の上層部に属した人間でも、戦後になって命令に従っただけとして許された人が多くいたらしい。戦後のどさくさのなかで、戦争協力者として本来なら罪に問われそうなことをした人間を、時効期間を短くして無罪にしてしまう法律が、多くの人が気づかないうちにひっそりと成立していたというのだ。そうした事実を下敷きにして...

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Author:ohutarisama
中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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