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高村薫「土の記」を読んだ

更新を滞らせたまま日が過ぎてしまった。何週間か前に高村薫「地の記」を読んだのだが、読後の印象がいまだに消え去らず、時々あれは何だったのだろうと思い返す。

ミステリーといえばそうかもしれないが、むしろ人間ドラマだと思う。主人公の男にとって事故に遭う前の妻の行動は謎だった。植物状態になった妻が十数年間介護を受けてから亡くなった後、少しずつ分かってくることがあるが、それは謎の解明とまではいえず、推測の域を出ないことだ。

関西地方の山奥の集落に住む住人達。事情がうすうす分かっていても、地縁にからめとられた人たちは表立って口にしようとしない。現実の田舎の集落のありようも実際にそんなものかもしれない、と思ってしまう。誰もが言葉にしないため、事実が妙な方向にねじ曲がっていく。
加害者のレッテルを張られて人生が変わってしまい、失意のうちに死んでいく者もその家族も、年月が経って亡くなってしまった。被害者を装ったままの側も事実を明かすことはできず、そのまま日常生活に埋もれていくしかない。

妻を亡くした男の日常は土とともにある。若い時から地質の研究にうちこんできた。都会育ちであるにもかかわらず、山間地の旧家の入り婿になったのは、土に馴染みがあったということなのだろうか。
会社を定年退職した後、男は妻に代わって田を耕し、山ではお茶の木を育てたりしている。自分なりに独自の方法を考え出し、それを試みるのが楽しみのようだ。農作物の種まきや植え付けの緻密な計画を立てたりと、行き当たりばったりのことはしない性格のようだ。
にもかかわらず、今にも壊れそうな古い軽トラックをさらに修理して乗ろうとしているかと思えば、親戚に置き去りにされた犬をトリミングに連れて行って大枚をはたいたり、大きなナマズを飼ったりと、どこか不均衡だ。主人公だけでなく、現実の人間の生活も大同小異、誰でもそんなものかもしれない。

この小説の印象がなかなか薄まらないのは、その不均衡さのせいかなあと思う。



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甘いものを作る

スポンジケーキ生地に伊予柑の皮の甘煮を細かく刻んで混ぜて焼いたものが、存外に風味がいいようで、目下のところ夫は気に入っているようだ。食べるのは夫だけなので、(私は去年の検診で脂肪肝になりかかっていると言われて以来、菓子類を口にしておらず、そういう生活に慣れてしまった。甘味として食べるのは一かけらのチョコレートか、甘栗を二つ三つか、サツマイモだけ)18㎝×9㎝のパウンド型で、卵二個と砂糖70g、小麦粉100g、とサラダ油と牛乳を適宜といった材料の、ささやかなものしか焼いていない。ガスオーブンを使うには小さすぎる気がして、もっぱら無水鍋で焼いているのだ。温度計も何もないけれども、特に失敗もしないで焼けている。

ネット上のレシピを見ていると、パウンド型を使ったケーキを総称してパウンドケーキと言っているようだ。スポンジ生地を使っていてもパウンド型を使っていれパウンドケーキと紹介されている。
どちらでもいいことだがパウンドケーキというのは、もとは粉と砂糖、バターと卵をそれぞれ1パウンドずつ使うからパウンドケーキと呼ぶのだと菓子作りの本で読んだことがあるが、最近はバターのような飽和脂肪酸は体に良くないと信じる人が増えているせいか、バターの代わりにサラダ油を使うのが主流になったのかしらん。バターを多量に使うより、サラダ油をそこそこという方が、カロリーもいくらかは減らせるわけだし。

一週間で食べきるので毎週焼くことになるが、同じものばかり作るのは私の方も飽きるので、来週はお彼岸におはぎを作った残りの餡で、あんまんにするか、またおはぎを作るか思案中。

春の彼岸は本当は牡丹餅らしい。牡丹餅は粒あん、おはぎは漉しあんを使うとか、以前聞いた。餡の材料に去年の暮れに弟に貰った小豆を使ったら、出来が悪くて(何しろ昨年は日照り続きのひどい気候だった)煮えかたがむらだったので、しかたなく漉しあんにした。それ故春の彼岸なのに、おはぎを作ったということになる。おはぎだから小ぶりに作って、実家へも持って行った。

ホント、こんなことはどうでもいいことだなあ。

図書館で本を借りてきた

斎藤美奈子「日本の同時代小説」を読んだ。日本の文学が、近代のよわよわしいインテリのものであった時代以降、現在に至るまでいかに変容してきたか、相変わらず切れのいい文章で書かれている。文学史としてかなり納得のいく内容だと思った。
取り上げられている作家の数が多いことから、著者の読書量はすごいのではないかと見当がつく。これだけの大量の小説を読むには速読する必要がありそうだ。仕事上の必然とはいえ、速読が身についてしまっているのだろう。

この本の中でごく最近の作品として挙げられている若い小説家の本は、解説を読んだだけでも、年寄りの固くなった頭では読みこなせそうにない。金井美恵子や高村薫の小説なら読めそうだと思って、図書館で借りてきた。どちらも予約が入っていなかったのですぐ借りられた。有難いが人気がないということか。

金井美恵子は私と同世代のはずで、ごく若い時に作家デビューした人だ。昔何冊か読んだが、詩人らしい感覚的な文章で、尖がっている感じがした。共感することも理解することも私には難しくて、猫について書かれたエッセイを最後に読まなくなっていた。
作家も年をとると、角がとれてくるようだ。今回借りてきたのは「お勝手太平記」という小説だ。読み始めたばかりだが、何だか楽しそうな予感がする。


健診結果を聞いてきた

十日たっても、数値に異常が有るからなんて電話はかからなかった。それほど心配する必要はないに違いないと思ってはいたが、体重の大幅な減少について(重大な病気が潜んでいる場合があるから、がん検診を受けた方がいいとかなんとか)言われるのではないかと、気が重かった。
重い腰を上げて、昨日結果を聞きに行った。

結果は血液検査の結果はすべて正常値、心配していたクレアチニン値も0.66まで減っていた。やれやれだ。
お医者さんは数字は変化すると言っていたが、クレアチニン値は筋肉量の多い人は高く出るそうだから、自分では筋肉量が減ったせいではないかと思う。10kgも体重が減ったのは脂肪が減ったせいだけではないはずだ。

体重についてはやっぱり指摘された。食べていないのではないかと思われたのかもしれない。実際は夫と同じくらい食べているのだ。ただし菓子類をほとんど食べなくなったのと、刺身を酢キャベツでくるんで食べたりとか、ちょっと特殊な食べ方をしてはいるが。もともとズボラなので、塩分計算をして少しでもおいしく食べようという根気が続かない。
「去年の四月から減塩を続けているのでむくみがとれたせいかもしれないし、年をとって消化吸収能力が衰えたせいもあるかもしれないけれども、まずまず元気で動くことができているから、血液検査の結果に異常がなければこのまま様子を見たいです」と答えた。でも念のために半年たったら血液検査をお願いしますと申し出て了承してもらった。

長年コレステロールの薬を処方されていたが、飲むのを忘れることがよくあった。それでも正常範囲内だったので、思い切って飲むのを休止して様子を見たいと申し出て、それも了承され、気持ちが軽くなった。

本当は医者通いなんかしたくなかったのだ。いっそ健診なんか受けないという手もあるには違いない。いろいろ細かい数字について言われたくないけれども、言われないような数字になるように生活に気をつけるのも手ではないかとも思う。

自分なりに考えて実行した結果が今回の数字だ。正常値に戻ったからといって元通りの食生活に戻したら、また同じことになる。
減塩は続けるつもりでいるが、さほど厳しい制限は必要でないかもしれず、どこまで緩めるかが問題。(考えるのが面倒だからしばらくは今のままで行くつもりだ)


特定健診を受けた

駆け込みで平成30年度分の特定健診を受けてきた。
体重が一年前と比べて10㎏も減っていて驚いた。暮れから正月にかけて風邪で具合が悪くて食べられなかった時には、痩せたのではないかと思っていた。その後回復するにつれて、よく食べてもいたし、体重ももとに戻りつつあるに違いないと思っていた。それなのに、ここまで減っていたとは思いもよらなかった。
別に痩せたいわけではないのだから、病気でもないのに一年で10㎏減ると少し気になる。いや、病気ではないと思うけど、まさかと、少しだけ心配になってしまうのだ。
やっぱり体重計を買って時々は計ってみた方がいいのかしらん。

時々読ませていただいていたブログ主の女性で、多分同い年の方だと思うが、最近なくなられたことを知った。ガンだったそうだ。自分では気がつかなかったうちに進行・転移していたらしい。
古い日付をたどって読み直してみると、健診を受けた病院から電話があって、検診結果が思わしくないことを告げられたそうだ。病院では問題がありそうな受診者には特に連絡するのだろう。
日付をたどって読み直してみると、ガンだと分かった時から随分気丈に闘病していらっしゃったようだ。一人暮らしではいかばかり心細かったことことか、それなのにそんな弱音は書き残していらっしゃらなかった。亡くなられたのは残念なことだった。お疲れさまでした、どうぞゆっくりお休みください。それしか言えない。

そういうことを読んだばかりなので、よけいに気になる。まさか、電話なんかかからないだろうと、不安を打ち消している。私は弱虫だ。
余計なことを考える間がないように、ポイントサイトでタイピングばかりしているがミスタイプの多いこと。
何とか問題ない結果でありますように。

夫は私よりも一週間前に検診を受けていて、結果がもう出ている。身長・体重に大きな変化はないものの、血圧は高くないし、ヘモグロビンA1cの数字も問題ないし、中性脂肪が昨年よりうんと減っていた。これは最近魚をよく食べているせいだろう。いいことだ。
自分も肉をあまり食べなくなったのなら、なんで安かったからと言って相変わらず肉をよく買ってくるのかが理解できないのだが。



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Author:ohutarisama
中部圏に住む1948年生まれの専業主婦です。
夫と猫2匹と暮らしています。リンクはフリーということでお願いします。

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